聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

気の毒といえば気の毒

どこかで見たようなネタが。

所沢市:教研集会と判明し、埼教組のホール使用を取り消し
埼玉県所沢市文化振興事業団は24日、埼玉県教職員組合に対し、事業団が管理するホールの使用許可を取り消した。全日本教職員組合の教育研究全国集会の会場になると分かったためで「反対団体による混乱で住民に危険が及ぶと予想される」としている。埼教組は「悪いのは妨害する団体」と処分の取り消しなどを求め、さいたま地裁に提訴する方針。
埼教組によると、教研集会は8月17~20日に開く予定。使用許可は埼教組が昨年8月に申請し、翌月に許可が出た。事業団は「6月末の打ち合わせで教研集会と知った」としている。(毎日新聞 2006年7月25日)

全教の教研集会の会場に反対団体(いわゆる右翼団体ですな)が押しかけて街宣する、というのは夏の風物詩みたいになっていますが、それに絡んで会場の使用許可が取り消される騒ぎも風物詩ですな。私は、全教にせよ、日教組にせよ、彼らの主張に共感するところはあまりないのですが、集会を開くにも会場サイドから締め出しを食らってしまうというのは気の毒といえば気の毒。許可取り消し処分というのは妥当な処分なんですかね?

使用許可取り消しの根拠は所沢市民文化センター条例の第7条で「公の秩序を乱すおそれがあるとき」に抵触するから、ということのようです。条例の具体的な内容はこんな感じ。

(利用の制限)
第7条 指定管理者は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、センターの利用を許可しない。
(1) 公の秩序を乱すおそれがあるとき。
(2) 施設等をき損するおそれがあるとき。
(3) 前2号に定めるもののほかセンターの管理上特に支障があるとき。

いわゆる泉佐野市民会館事件では、関西空港建設反対運動をめぐって中核派と核マル派が暴力抗争を繰り広げていた"客観的事実"に基づいて、会場関係者や周辺住民の生命、身体、財産が侵害される自体が明らかに予見されることが不許可処分を是認した決め手だったと理解していますが、この所沢の事案はどうなんでしょう?

いわゆる右翼団体街宣車で乗り付け、大音量で街宣活動することは想像がつきますが、右翼団体と全教って暴力衝突していたんでしたっけ?ネットに散らばる情報をつなぎ合わせてみる限りでは、昨年は大阪が会場になっていて、やはり取り消し処分が出ているようですが、結局集会は開催されているようですね。

会場周辺で発生することが「明らかに予見される」騒ぎの質と規模によるんでしょうけど、せいぜい街宣活動どまりということになると、所沢市の処分はちょっと行き過ぎで裁判になると分が悪いかなぁ。