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お気楽金融雇われ人の見聞録

橋梁談合で住金・神鋼に株主代表訴訟

「橋梁談合で損害」 住金・神鋼の株主が賠償請求提訴
国土交通省と旧日本道路公団発注の橋梁(きょうりょう)工事談合事件をめぐり、事件後に国などから指名停止処分を受けるなどして会社に損害を与えたとして、住友金属工業大阪市)と神戸製鋼所(神戸市)の株主が27日、両社の元社長ら歴代役員計8人を相手取り、住友金属工業に1億3500万円、神戸製鋼所に2億100万円をそれぞれ賠償するよう求める株主代表訴訟を大阪、神戸両地裁に起こした。
…訴状によると、住友金属工業神戸製鋼所は、国交省と旧公団発注の橋梁工事でそれぞれ談合したとして、05年に公正取引委員会から独占禁止法違反で排除勧告を受け、今年3月に今回の賠償請求額と同額の課徴金の納付命令を受けた。株主は、元社長らが談合を防ぐための社内の仕組み作りを怠った責任があると指摘。「談合発覚によって国や地方自治体から長期間の指名停止処分を受け、工事を受注できなくなるなどの損害が生じた」としている。(asahi.com 2006年6月27日)

裁判では、経営陣が談合に対してどういう認識でいたかという点が争われるのでしょう。

先日判決が出たダスキン(ミスター・ドーナツ)の肉まん事件では、大阪高裁が未認可添加物混入を事後的に知りながら何ら対策をとらなかった当時の取締役・監査役など11名に対して、それぞれ5億5805万円から2億1122万円の損害賠償責任を連帯責任で認めていることを考えると、「談合の仕組みを維持することが業界のパイや秩序を守ることに繋がるので、談合を温存することも経営判断だ」というような主張が通じるとも思えないので、こちらの事件も経営陣の責任がかなり重く評価されそう。

橋梁談合は消費者の健康などに影響するわけではありませんが、旧道路公団の受注を通じて納税者の税金が流れていますから、その辺りの社会的責任がどう評価されるかがポイントになるのかなと。