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お気楽金融雇われ人の見聞録

出会いがしらで780万円

歩行者同士衝突、780万円賠償命令 当時25歳女性に
東京都世田谷区内の商店街で04年8月、買い物中の歩行者同士がぶつかった事故で、当時91歳の女性の足の骨が折れるなどした損害賠償として、相手方の当時25歳の女性に約780万円を支払うよう命じた判決が15日、東京地裁であった。出合い頭の事故だったが、歩行障害に対応した自宅工事費などを合算し、異例の高額賠償命令となった。…
…大嶋洋志裁判官は「健康な成人は、高齢者ら歩行弱者に注意を払い、衝突を避ける注意義務がある」とし、25歳女性が不法行為責任を負うと判断した。
その上で、損害額は、90日間入院の慰謝料217万円、自宅内の段差をなくす工事費221万円など計約1000万円になると算定。ただし、91歳女性の過失も認めて3割を相殺し、約780万円とした。(asahi.com 2006年6月16日)

歩いていて出会い頭にぶつかって780万円の損害賠償を請求されるというのはびっくりです。怪我をさせた相手の治療費だけでなく自宅の改造費まで請求されるケースがあるんですね。入院の慰謝料217万円と自宅改造費221万に何を足せば過失割合7割で780万円にもなるのか分かりませんけれども。

でも、自分が怪我をした場合の治療費をカバーする傷害保険は、一般的に相手に怪我をさせた場合の損害賠償もカバーしていますから(参考)、780万円と言う損害賠償金額は高額ではありますが、実際には損害額を確定するための裁判だったんでしょう。で、確定した賠償金を保険から拠出すると。

でもそれだともっと簡易な手続になるのかな?万一、保険に入っていなかったとしたら目も当てられませんが…。

それにしても「健康な成人は、高齢者ら歩行弱者に注意を払い、衝突を避ける注意義務がある」なんて言われてしまうと、のんびりウィンドウショッピングも楽しむ余裕はありません。常に周りに注意を払い、一切の危険を見逃さないよう辺りをキョロキョロ見回しながら歩いて…って、これじゃ怪しい人ですな。