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お気楽金融雇われ人の見聞録

実に末期的ですね

シャープ賃上げ、組合モデルの「35歳」だけ
今年の春季労使交渉春闘)で、シャープの経営側と労働組合が合意した「500円賃上げ」の対象者が、35歳の社員だけだったことが20日、わかった。全組合員約2万5000人のうち、賃上げが行われたのは1100人だけという異例の内容。業界の競争激化で人件費を抑えたい経営側と、賃上げ獲得の実績がほしい労組の妥協の産物と見られるが、今後波紋を広げそうだ。
この春闘では、大手電機メーカー労組でつくる電機連合が「35歳・技能職」の組合員をモデルの一つとして2000円の統一要求を掲げたため、同連合に加盟するシャープ労組も同様の賃上げを要求。経営側は3月15日、労組に「06年4月1日時点で35歳の基幹労働者のみ、500円を加算」と回答、労組も最終的にこれを受け入れた。(asahi.com 2006年4月20日

こんな小手先の賃上げ案を提案するシャープの経営陣も経営陣ですが、受け入れる労組も労組です。呆れるを通り越して笑ってしまいます。

業界横並びの統一要求自体が時代のニーズにそぐわないとして、毎年春闘批判が繰り返されているわけですが、統一要求の無意味さ加減を他でもない労組自身がこれほどまで鮮やかに示してくれるとは。統一要求という枠組みを壊すために、シャープの労使が示し合わせてやったパフォーマンスなんじゃないかと勘繰ってしまいます。

実態はそんなところにはなくて、電機連合という「内輪」の論理に眼が向いている労組と、その足元を見透かした経営陣の茶番というところなのでしょうが、これでは毎月組合費を支払っている組合員も浮かばれませんね。労働組合の組合費も、労組幹部の働きぶりに応じた成果主義を導入する必要があるんじゃないですかね?