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お気楽金融雇われ人の見聞録

海保の担当者はご苦労様でした

海保の負傷者情報収集が難航…個人情報保護が壁に
鹿児島県・佐多岬沖での高速船事故で、事故直後、鹿児島海上保安部が負傷者の情報を収集する際、搬送先の医療機関から「個人情報保護の観点から電話では言えない」と次々に断られ、捜査が難航していたことが分かった。…
…同海保は、負傷者が到着した二つの港で負傷者の氏名や搬送先などの概要をまとめ、各医療機関に電話で確認しようとしたが、「個人情報にかかわることは言えない」と大半は断られた。
このため、すべての搬送先に海上保安官を派遣、海上保安手帳を提示して身分を明らかにした上で、ようやく人数や氏名、負傷の程度などを確認できた。負傷者情報の取りまとめには最終的に4日を要した。(YOMIURI ON-LINE 2006年4月13日)

いくつもの病院を走り回ったであろう海保の担当者にはご苦労様でしたとしか言いようがありませんが、病院側が過剰ともいえる対応をしたのは、個人情報保護法に対する認識不足だけではなく、電話でだけでは本当に海保の担当者なのかどうか判断しようが無いという理由が大きいはずです。裏を返せば、こういう緊急時にもかかわらず(緊急時だからこそ)海保や警察を騙って情報を取ろうとしている人がいるということなんじゃないかと思います。

なので、海保の方でも病院側の疑心暗鬼を幾分なりとも解消できる配慮があれば、もう少しスムーズに情報を集められたかもしれません。例えば、第十管区海上保安庁の照会担当者の部署と名前を告げて、代表電話(118番でもいいかもしれませんが)宛に折り返し電話してもらうよう手配するような方法もあったんじゃないでしょうかね?

病院側から電話をかけさせるようにすれば、海保の代表電話が真正なものかどうか病院側も確認できますし、担当者を騙って電話してきた人間に間違えて情報を漏らしてしまうということも避けられます。100%確実な方法ではないかもしれませんが、緊急時かつ海保という公的な機関に対する情報開示ですから最低限の措置のように思います。