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お気楽金融雇われ人の見聞録

国籍法は違憲との地裁判断

比女性の子の国籍認める 東京地裁、国籍法は違憲と判断
9組のフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた子9人が、両親が法律上の結婚(婚姻)関係にないことを理由に日本国籍の取得を拒まれ、国を相手に国籍確認を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。菅野博之裁判長は基本的人権の保障を受ける上での国籍取得の重要性を考え、「父母が婚姻関係にあるかどうかで子が国籍取得できるかどうかを区別する国籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に反する不合理な差別だ」と判断。9人全員の日本国籍を認めた。
……今回は、家族が一体かに関係なく、規定自体が不合理で違憲と判断。昨年の判決より踏み込んだ形となった。 (asahi.com 2006年03月29日)

両親の国籍の組み合わせで取れる国籍が変わるのってアリなんだろうか?」で書いたとおり、私は父母の婚姻の有無や国籍の組み合わせで取り扱いが異なるのは合理的では無いと考えていますので、国籍法第3条の「規定自体が不合理で違憲」というのはかなり思い切った判断だと思いますが、妥当な判断だと思います。今後、高裁・最高裁でどんな判断がなされるか見物です。

そういえば、先日小学校での英語教育必修化についてのエントリーを書きましたが(小学校の英語が必修化)、外国語としての英語をどうやって習熟するかというのは日本人が「外」へ出て行く場合の国際的なコミュニケーションツールをどう習熟するかという問題なわけですが、日本を目指してやってくる外国人との国際的なコミュニケーションをどうするかという問題の方が、国籍法のあり方を問わず、実は優先度が高い問題かもしれません。大多数の日本人は国内を生活拠点にして一生を暮らしていくわけですし。

Net Immigration それこそ「日本にいるなら日本語話せ」でもいいわけですが、それならそれで日本にやってきた外国人に日本語をどう教えるかという問題もセットで考えなきゃいけないのでしょう。私自身、普段はあまり意識したことが無いのですが、日本はトータルで見れば海外へ移住する日本人より日本へ移住してくる外国人の方が多い国なんですよね。(画像は移民のネット流入状況 via WORLD MAPPER