聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

親の本音

オウム真理教麻原彰晃こと松本智津夫被告の次男が私立中学の入試の合格通知を受け取ったのに、その後学校側から入学を拒否された件、「麻原彰晃の息子が来る中学なんかに子供は通わせられない。入学を拒否した中学校の決断は正しい」という意見を何度か見ました。

「子供を危険から守ることが最優先。そのために異分子は排除したい」というあけすけな親の本音の部分については、私も同じような思いがあるのですが、これって村八分連座制で適用する発想に他ならず、これを声高に主張するのは抵抗があります。それというのは、自分と家族が同じような立場(村八分される側)に立った時のことを想像するとおっかなくて仕方が無いから、という反対の意味でのあけすけな親の本音があるからです。

例えば、私が満員の通勤電車内で痴漢の冤罪に問われ、そのことが大々的に報道されたと想像してみた場合、学校で子供たちが「痴漢犯罪者の子供」などとからかわれる可能性はゼロじゃないですよね。でも「子供を危険から守ることが最優先。そのために異分子は排除したい」という考えは、上のような事例でも受け入れる覚悟が無いと主張できないはずです。

テロリストと冤罪を一緒にするなという意見があるかもしれませんが、実際に痴漢の冤罪で実名報道されたサラリーマンは存在するわけですし、オウム真理教に絡めれば松本サリン事件の犯人と疑われて実名報道された家族がどのような目にあったかを考えれば、やっぱり「子供を危険から守ることが最優先。そのために異分子は排除したい」という考えを受け入れることはできません。

もの凄い内心の葛藤があるのは事実なのですが、いいとこ取りはできないんですよね。葛藤しつつ受け入れなければならないのかな?と。