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お気楽金融雇われ人の見聞録

マネックス証券の判断は長期的に見てどうか?

昨日のマネックス証券によるライブドア株式の担保掛け目の見直しについて、マネックスショックなどといわれ、よさの大臣までもが苦言を呈していますが、証券会社が信用取引の担保掛け目をどう評価するかなんてのは、すぐれて個別の経営判断であって、責められる筋合いは無いと思います。株式相場が大きく動くたびに、大臣が個別企業の経営判断にいちいち口を挟むのはどうかと思います。

ライブドア株信用取引での担保除外に「困惑」・金融相
与謝野馨経済財政・金融担当相は19日の閣議後の記者会見で、マネックス証券ライブドア株信用取引での担保価値をゼロにすると17日に投資家に通知したことについて「投資家にとって困惑の極み」との見方を示した。同社の措置が「市場の混乱に拍車をかけたとの疑いを(投資家が)持つことは当然だ」と述べ、東京証券取引所の売買全面停止の一因に担保価値の引き下げ問題があると、暗に批判した。(NIKKEI NET 2006年1月19日)

今日の取引終了後、岩井証券マネックス証券に追随してライブドア株の担保価値をゼロにしました。ライブドア株はまだ3億株近い売り注文が積み残されていることを考えると、明日以降もライブドアの売りは止まらないでしょうし、岩井証券の決定でさらに売りを呼ぶことも考えられますが岩井証券の決定は非難されないんですかね?

マネックス証券に責められる点があるとすれば、表向き流動性が枯渇したこと「だけ」を理由にして担保掛け目を見直したため昨日の今日で担保価値を元に戻す羽目に陥ってしまい、乏しい担保評価能力をさらしたことに尽きるんじゃないかと思います。マネックス証券と取引している個人投資家にしてみれば担保価値が時価に応じて増減するのは当然としても、売りが殺到した程度の理由で掛け目まで変更されてしまうのでは怖くて仕方ないところでしょう。

今回の措置はマネックス証券自身の短期的な債権保全の面からは取りうる選択肢だったと思いますが、個人顧客との長期的な取引関係という面で正解だったかどうか?マネックス証券の今後の業績にどう影響するかは注目してみていたいと思います。