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お気楽金融雇われ人の見聞録

50円×6000万世帯=30億円

松下電器、石油温風機事故で国内全世帯にはがき郵送へ
松下電器産業の石油温風機で一酸化炭素中毒事故が相次いで起きている問題で、同社は12日までに、全国のすべての世帯と宿泊施設の計約6000万カ所に危険性を知らせるはがきを2月中旬から郵送することを決めた。製品欠陥をめぐり、民間企業が全世帯を対象に告知するのは極めて異例。
同社によると、対象となるのは全国の家庭約5000万世帯と、ホテルや旅館など約1000万施設。はがきには、事故が起こる可能性のある温風機の型番のほか、フリーダイヤルの連絡先を書いて回収・修理の協力を呼び掛ける。あて名を特定しなくても全国の各郵便局にはがきを渡すと、対象世帯に郵送してもらえる。(NIKKEI NET 2006年1月12日)

ハガキ1枚50円として6,000万か所で30億円。新聞広告やTVスポットの費用でもっと使ってしまっているのだろうけれどすごい出費です。これまでにあれだけ告知しても行方がはっきりしないのだから、今回の告知の効果も限定的だとは思いますが……。

松下電器の対応は、リコールなど不良品対応のためのコストが以前より格段に要求される時代になったという意味で象徴的ですね。三菱ふそうリコール隠しのように、初期対応の段階でのコストを惜しんで安直に隠蔽に走ったり、簡単な告知だけでお茶を濁したりすると、発覚した時点で企業が受けるダメージが、企業の存続自体を危うくするほどに大きくなったということで消費者としては歓迎すべきですね。

それはさておき、「あて名を特定しなくても全国の各郵便局にはがきを渡すと、対象世帯に郵送してもらえる」ということを初めて知ったのですが(配達地域指定郵便物[タウンメール]というサービスのようです))、このサービスってほとんど「郵便版スパムメール」ですよね?