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ついに「靖国」カード賞味期限切れ

首相「靖国外交カードにならない」…中韓をけん制
小泉首相は30日、自民党本部で講演し、自らの靖国神社参拝について、「二度と戦争は起こしてはいけないという気持ちで参拝している。中国、韓国が批判するのは分からない。精神の自由でないか。(中韓にとって)外交カードにはならない」と述べ、外交問題として取り上げる中韓両国を強くけん制した。 一方で、「一つや二つの意見の相違があっても全体を壊してはいけない。長い目で見れば(中韓両国にも)理解されると思う」とも語り、両国との関係改善に期待する考えを示した。(YOMIURI ON-LINE 2005年11月30日)

小泉首相が内外の圧力にめげることなく続けてきたことで、靖国参拝外交カードとしての賞味期限はとうに終わっていたわけですが、中国・韓国にはなかなかそのことが伝わらなかった(あるいは中国・韓国が理解しようとしなかった)ため、とうとう賞味期限切れをはっきりと宣言してしまいました。

中韓の反応はというと、中国では早速新聞がこの話を取り上げています(参照[china.com.cn:中国語])概略「中日関係は現在困難に直面しているが、原因は日本の指導者(小泉首相)が独断専行して靖国神社を参拝することにある。中国とその他のアジア国家の人民の感情を深く傷つけた日本は、中日関係の直面する困難に対する全責任を負うべきだ」というもので、これまでの中国の主張と何ら変わっていないようです。馬車馬さんが「『靖国』カードが消える日」指摘されている通り、中国がゲームのルールが変わったことを理解し、靖国カードをあきらめるまで当面は年中行事として靖国参拝と中国からの抗議が続きそうです。

「靖国」カードが消える日
結局、中国は何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、ゆっくりとルールが変わったことを認識していくしか無い。最初、中国は小泉首相靖国参拝を、昔「妄言」で辞任した多くの政治家のケースと同じく、靖国カードを切る絶好のチャンスだと認識したはずだ。ところが、小泉首相は何の譲歩もせず、支持率も下がらない。それどころか、反日デモのコントロールに失敗して欧米の顰蹙を買う始末だ。もちろん、胡錦涛氏を含め、目端の利く人間はとっくにこういった事情を理解しているだろう。しかし、江沢民時代の成功体験はそう簡単に消えないし、国民レベルで根付いた反日感情は更に消えにくいから、なかなか靖国カードをあきらめられない。ルールの変更には時間がかかるのだ。(マーケットの馬車馬)

これに対して韓国の新聞(中央日報朝鮮日報東亜日報)には今のところ関連した記事は載っていないようです。靖国参拝をてこに小泉首相を責めるのは難しいと見たのか、今度は麻生外務大臣をターゲットにしたようです。韓国の藩外相から麻生外相の歴史認識を牽制するコメントが出ているのに加え、第二次大戦時の徴用に絡めて動いているようです。しばらくヲチせねば。

日本外相・麻生家所有の炭鉱関連の強制動員資料を要求
韓国政府は、日本植民支配時代(1910~45)の強制動員によって犧牲になった韓国人の遺骨実態を調べるための韓日両国会議で、日本政府に麻生太郎外相が家業として受け継いできた麻生炭鉱の強制動員実態に関連した資料を求めたことが29日、確認された。
日本帝国主義による強制占領の下で行われた強制動員被害の真相を究明する委員会」の関係者は同日、「28日から2日間にわたってソウルで開かれた韓日遺骨調査協議会第3回会議で、韓国代表団が日本側に、麻生炭鉱強制動員の実態や犠牲者の遺骨に関連した調査を求めた」と明らかにした。(東亜日報 2005年11月30日)