聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

にじいろの さかな

にじいろのさかな (世界の絵本)

にじいろのさかな (世界の絵本)

きらきらうろこを 1まいずつ, ほかのさかなに くれて やるのじゃ。 それで おまえは, いちばん きれいな さかなでは なくなるが, どう すれば しあわせに なれるかが わかるだろう。

虹のような様々な色合いの鱗と、きらきら輝く銀色の鱗を持つ「にじうお」が、それを鼻にかけているうちにいつの間にか一人ぼっちになってしまった後、賢い蛸に言われた言葉です。

蛸のアドバイスを受け入れたにじうおは、自分の銀色の鱗を1枚だけ残して、周りの魚に全部あげてしまいます。銀色の鱗を失う代わりににじうおはたくさんの友達を得ることが出来ました。

この蛸の言葉を読んで最初に浮かんだのが、"give, and give, then given"という言葉です。これは、「カトラー:katolerのマーケティング言論」の「『縁尋奇妙』時代のコミュニケーション戦略」というエントリーで紹介されている言葉です。ネットワークの世界で、情報を与えて、与え続けて、気が付くと何かを与えられていることを表したものです。

ネットワークの世界の情報は与えることで失われることはありませんが、モノとしての銀色の鱗は与えることで手元から失われてしまうという違いはありますが、「見返りを求めずにいろいろなものを提供する人に、結果として与えたもの以上の大きなものが帰ってくる」というところは両者に共通する考え方です。

"give, and give, then given"という考え方はネットワークの世界、ビジネスの世界に限らず、人付き合い、友達づきあいといったコミュニケーション全般に通じる極意といってもいいのかもしれません。

お前はそれを実現できているのか?といわれると、全く自信はないのですが、こんなエントリーでも男の子向けの絵本探しの参考になれば、ということで淡々と続けていこうと思います。