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お気楽金融雇われ人の見聞録

スイミー

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

夏休みに入って暑い毎日が続きます。あんまり暑いので、しばらく水や魚に関係する絵本を取り上げます。

まずは、レオ=レオニ作、谷川俊太郎訳の「スイミー」です。

赤い魚の兄弟に一匹だけ混じった黒い魚、それがスイミーです。スイミーは兄弟の誰よりも泳ぐのが速かったことが幸いして、兄弟たちとマグロに襲われたときに1匹だけ逃げることに成功します。

独りぼっちになったスイミーは、暗い海の底を心細げに一匹で泳いでいきます。クラゲやイセエビなど面白い海の動物を見るうちに元気を取り戻したスイミーは、兄弟たちとそっくりな赤い小さな魚たちを見つけます。

大きな魚に食べられることを恐れ、海の底に潜む仲間たちを広い海へ連れ出したいと考えたスイミーは、みんなが集まって大きな魚の振りをして他の大きな魚を追い出すことを考えます…。

このお話を収録した国語の教科書がありますので、教科書で読んだ人も多いと思います。私もその口で、この話に触れたのはかれこれ30年近く前です。

小さな魚たちが集団で泳いで大きな魚のように見せかけるというのは、意図しているかどうかはともかく、実際の海の中でも見られるもので、この話を知った後に海のドキュメンタリーなどを見たときは、映像にスイミーの絵がオーバーラップして見えたものです。

今年2年生になった上の息子の国語の教科書にもやはり収録されていて、久しぶりに思わぬ再会を果たすことになりました。小学生当時の私はスイミーがテレビの映像に被るくらいお気に入りだったのですが、息子もこの話がかなり気に入ったようです。彼にあらかじめ何か言っていたわけではないのですが、お気に入りの話が被るというのは、なんとなく嬉しいもんですね。

さてそのスイミー、絵本の中でもとても小さく描かれていますが、良く見ると場面場面で微妙に表情が違っています。その表情は彼のアクションと実に良くマッチしていますので、一見の価値ありです。


●● 韓国語版も出ています
Suimii―韓国語版
Suimii―韓国語版