聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

谷垣財務大臣グッジョブ

私がいつも読ませていただいている「かみぽこ政治学」で4月7日に「谷垣禎一財務大臣に注目せよ!」というエントリーがあった。かみぽこさんは、中国、韓国、北朝鮮等との各種外交課題を抱え、今一番目立っているであろう町村外務大臣が強く意識せざるを得ない人物ととして、今後の動向を要注目とされている。

谷垣大臣については、かみぽこさんのご指摘の他にも政治オタクの私の同僚が注目していた影響もあって、私自身もそれなりに動きを注意して見ている政治家である。

今日流れた次のニュース、扱いは地味だが日本が目指すべき国際間の経済援助に対する考え方をよく表しており、グッジョブだと思う。
アフリカ支援、100%債務削減に反対・谷垣財務相が表明
谷垣禎一財務相は17日にワシントンで開いた世界銀行国際通貨基金IMF)の合同開発委員会で声明を発表し、アフリカ支援策として英国などが主張する一律100%の債務削減について「債務国のモラルハザードを招くという問題がある」と反対の立場を表明した。声明は「(債務削減は)個別国ごとの状況を踏まえケース・バイ・ケースに対応すべきだ」と強調した。(NIKKEI NET 2005年4月18日)
債務放棄することによる損失がもったいないというつもりは全くない。ただ債務者の立場として考えた場合、債務返済ができなくなれば、100%債務削減してもらえるということであれば、まじめに債務を返済するより借りられるだけ借りてデフォルトしてしまえばいいということになりかねない。

欧米諸国は第三世界に対する経済支援をすぐ債務免除することを主張するが、本当に第三世界諸国の経済的な自立を考えるのであれば、「借りた金はちゃんと返す」という当たり前のことを実行させる必要があるはず。今回の件は、そんな当たり前のことを当たり前のこととして主張してきたという点においてグッジョブである。

そんなわけで、地味に活躍している谷垣大臣については、現在の彼の職責における最大の課題である財政再建にどう取り組んで解決策を見出していくのか注目して見ていこうと思う。