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お気楽金融雇われ人の見聞録

ヒューレット・パッカードの新CEOが決定

ヒューレット・パッカード(HP)は29日、先月解任したカーリー・フィオリーナ最高経営責任者(CEO、50)の後任に、米NCRのマーク・ハードCEO兼社長(48)が4月1日付で就任すると発表した。2003年にNCRのCEOとなったハード氏は任期中、同 社を黒字転換させた実績がある。(NIKKEI NET 2005年3月30日
CNET Japanの記事によれば、新CEOのハード氏はNCRのCEO在任中にNCRを黒字転換させるとともに、株価を3倍にさせた実績を持つ経営者ということなので、おそらく確かな経営手腕を持った経営者なのだろう。HPの建て直しをうまく実現できるといいなと思う。

1点気になるのは、HPは結局新CEOを外部から招聘することにした点。HPには自社の経営を任せられる生え抜きの人材がもういないんだろうか?もしそうだとしたら、その人材の枯渇振りのほうが気になってしまう。

アメリカの会社は、なんとなくCEOは外部招聘するのが一般的になっているイメージがあるが、GEなどは生え抜きの人材を選抜してCEOにしているはず。何よりフィオリーナ前会長だってHPに移る前にいたルーセントテクノロジーでは生え抜きだったし、今回のハード氏もNCRでは生え抜きだ。

もちろん、日産自動車のゴーン社長のように外部から経営者を招聘して業績を大きく伸ばした(回復した)会社だってたくさんあるから、生え抜きの経営者の方が、外部招聘の経営者より優れているなどというつもりはない。でも、生え抜きの経営者であるがゆえに発揮できる手腕というのも結構無視できないレベルで存在しているのではないだろうか。フィオリーナ氏の失敗を見ているとそう思う。

以前 のエントリーに書いたとおり、かつて「HPウェイ」という家族的な雰囲気を持つ会社として有名だったHPが外部からフィオリーナ氏を招聘した結果、会社としての連帯感が失われてしまったのだとすれば、今回は生え抜きの人材が経営者に就いたほうが良かったんじゃないだろうか。


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HPフィオリーナ会長の辞任(2005年2月10日)