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お気楽金融雇われ人の見聞録

東武伊勢崎線竹ノ塚駅の踏切事故

東武伊勢崎線竹ノ塚駅近くの踏切事故は、手動で遮断機を上下する保安担当者の操作ミスが原因のようだ。

現場の踏切は、いわゆる「開かずの踏切」のため、朝夕のラッシュ時に少しでも人や車を通すために手動式を導入していたようだが、これが裏目に出た。新聞の記事によれば、遮断機の上げ下げは踏切横にある詰所で操作しており、準急が踏切から2kmの場所にさしかかると、線路別に接近を知らせる赤ランプが点灯、同時にブザーが鳴る仕組みらしい。作業内規で赤ランプが点灯している間は上げることが禁止されているが、逮捕された保安担当者は、遮断機のロックを解除して遮断機を上げたところ、事故が発生したらしい。

そういえば、東京都北区の赤羽近辺に勤めていた頃、JRの赤羽駅横の踏切をよく使ったが、この踏切もやはり「開かずの踏切」で、手動で遮断機を上下させるタイプのものだった。赤羽の場合は踏切のすぐ横に地下通路があったので、待つことが苦手な私は地下通路をことが多かったのだが、朝夕のラッシュ時に保安担当者が電車がひっきりなしに行き来する合間を縫って遮断機を上げた隙に踏切を通った時は結構びくびくしていた覚えがある。

当時の赤羽も今回の竹ノ塚も電車も車・ヒトもたくさん通行する中、車やヒトにとってのぎりぎりの利便性を確保すべく手動式の遮断機にしていたであろうことは容易に想像できるから、それが裏目に出てしまった今回の事故は正直やりきれない。

確かに今回の事故の直接的な原因は保安担当者の人為的ミスということになるのだろう。ただ、先日の土佐くろしお鉄道の事故でもそうだが、ヒトがミスをする生き物である以上、ヒトに過度に依存する安全システムというのはやはりどこかで綻びが出るものだ。単純に保安担当者だけを責めれば解決する問題ではない。

解決策としては踏切を自動化するというのが一番手っ取り早く効果的なのだろう。ただし、踏切自動化によって損なわれる利便性は周辺住民が甘受することになるが。本質的な解決には立体交差化が必須だと思うが、東武ってもともと複々線化事業や立体交差化事業に積極的な鉄道会社というイメージがあるのに、このあたりを立体交差化しなかったのは何か理由があったのだろうか?真っ先に立体交差化の対象になって然るべきだったと思うのだが…。

今回の事故で亡くなった2名の方、怪我をした2名の方にはお見舞い申上げます。