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お気楽金融雇われ人の見聞録

ゆとり教育全面見直し?

中山文科相は、「世界トップレベルの学力」を復活させるために見直すべき観点として次の5点を挙げているそうな。
  • 基本的教科、特に国語、理数、外国語の改善充実
  • 子供たちが身につけるべき資質・能力の到達目標の明確化
  • 各教科や「総合的学習の時間」のあり方
  • 完全学校週五日制での土曜日や長期休みの活用
  • 道徳教育や芸術教育の充実、体力・気力の向上策
…なんだかなぁ。
中山文科相はよほど総合的学習の時間がお嫌いらしい。子供たちの学力二極分化に危機感を持っているのは分かるが、それは学習指導要領の内容というより、学習時間が絶対的に不足していることが一番大きな原因だろう。中教審の鳥居会長が指摘するとおり「総合的学習の導入をきっかけに突然、学力低下が起こったわけではない」ので、総合的学習の時間は削るべきではないと思う。それは以前のエントリーでも書いたとおり。

不思議なのは、昨年12月にOECDによる学力到達度調査結果が発表された直後は文科省の事務方はそんなに危機感持っていなかったように見受けられたのに、俄かにゆとり教育見直し論がヒートアップしたところ。
大臣の鶴の一声もあるのだろうが、これだけ急に舵を切られると、三位一体改革の義務教育費国庫負担金削減に対する目くらましなんだろうかと邪推してもみたくなる。中教審は学習指導要領の見直しなんかしている暇があったら、義務教育費国庫負担金財源の地方移譲を決めなさいってこった。


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