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ウクライナ再投票へ

ウクライナの大統領選挙は、最高裁が先日の決選投票を違法と認定したため、再投票が行われることが決まった。

ユシチェンコ候補はもちろんのこと、ユシチェンコ候補を後押ししていたEUアメリカも今回の決定を大歓迎している。フランスでは、鯖田鮫蔵氏のリベラシオン紙抄訳によれば、「フランスが(少なくともリベラシオン紙が)『ウクライナに民主主義を!!』と熱望するのが切実に伝わってくる熱い論説」が展開されているようだ。

ロシア国内でも、リベラル系の議員たちが再投票を歓迎するコメントを相次いで出しており、与党側を後押ししていたロシアのプーチン大統領は苦しくなっている。ウクライナ再投票へ、ロシア政界に亀裂(NIKKEI NET)

最高裁では、与党ヤヌコビッチ候補サイドが、投票率が100%を超える地区があったとか、死者が投票していた事例が見つかったというような選挙不正をやっていたとされている。一方のユシチェンコ候補側が全く潔癖かといえばおそらくノーだろうとは思う。要はやっていることはお互い様のはずなのである。

しかし、与党側のやっていることはちょっと稚拙過ぎで正直あきれてしまった。これでは、後押しするロシア側もやっていられないだろう。野党が優勢になるのもむべなるかなという感じである。

おそらくは、このままユシチェンコ候補が押し切って、大統領選挙は終わるのだろう。とはいえ、ウクライナがロシアを離れEU寄りの体制を樹立しEUアメリカの資本を導入することが、本当にウクライナのためになるかどうかは、正直懐疑的である。

昨年暮れに新体制を樹立したグルジアは今はどうなっているのだろう?経済が急回復しているというニュースは寡聞にして聞かないのだが…。


[関連投稿]
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