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ウクライナ大統領選挙は再選挙へ

与野党のにらみ合いが続いたウクライナの大統領選挙は、再選挙の方向で妥協が成立した模様。決選投票の有効性を審理している最高裁の判断が出た後、具体的な再選挙の方法を決めることになった。

とりあえず大規模な流血騒ぎは避けられそうな状況になり一安心。

次の注目は最高裁の判断だが、最高裁がどういう審議をしているかは分からない。ルーマニアでは野党からの選挙無効の訴えが棄却されてしまったようだが、ウクライナでは決選投票が有効だなどという結論を出せば暴動になるだろうから、政治的な判断で決選投票無効、再選挙という結論に落ち着くのだろう。

ユシチェンコ候補としては、デモ隊の勢いを借りて一気に政権奪取するはずが、クチマ大統領に押し戻され、EUやロシアの調停を受けて、再選挙することを飲まざるを得なくなってしまったのは大きな誤算だった。再選挙になれば、ユシチェンコ候補が優勢のようだが、これならデモ隊など組織しなくても良かったような気がする。騒動が長引いてデモ隊の人数も減っているようだ。

ところで、今回の件に関してアメリカがすっかりおとなしくなってしまったと思っていたら、こういう事情があるらしい。

ユシチェンコ候補を大統領にした途端、イラクから軍を引かれてしまっては面目丸つぶれなので、アメリカはフェードアウトを狙っていたのですな。道理でユシチェンコ候補やデモ隊の勢いが鈍るわけだ。

再選挙で仕切りなおしという結果を受けてデモ隊の熱狂が冷めれば、ユシチェンコ候補優勢という状況がひっくり返る可能性もあるかもしれない。


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