聞いた、見た、読んだ。

お気楽金融雇われ人の見聞録

恥ずかしくて赤面するような失態

女性を使って情報を手に入れようというのは、私のような門外漢ですら謀略戦や外交戦のイロハのイだと思っていたのですが、外交の専門家(?)がそんな初歩的な手に引っかかっていたというのは、記事を読むこちらが恥ずかしくて赤面するような話ではあります。まぁ、自ら好んで網に引っかかりに行く一部政治家もいるようなので、外務省の末端一職員がそれを見習うのも当たり前です。

「遺憾な行為」による自殺 総領事館員死亡で政府見解
政府は28日、中国の在上海日本総領事館の男性職員が昨年5月、中国側から外交機密に関する情報提供を強要されたとの遺書を残して自殺したとされる問題について、自殺の事実を認めるとともに、背景に中国公安当局による「遺憾な行為」があったとの見解を発表した。(共同 via Sankei Web 2005年12月28日)

それより根が深そうなのは、外務省には、自分たちが日本政府の一部であり、その指揮・命令系統の下で動いているという認識(というか常識)が決定的に欠けていることでしょう。

これに関連し、安倍晋三官房長官は28日午前の記者会見で「報道されているような事実があったとすれば、厳しく抗議をすることは当然だ」と強調。外務省の対応について「一部報道以前に私は報告を受けていない」と不快感を示したが、鹿取氏は「適切に対応してきた」と述べた。(同上)

をいをい逆切れかよという感じ。内閣の一部局の一報道官が、内閣の事務周りの責任者たる官房長官の叱責に対して当たり前のように反論しているというのは普通ありえないでしょう。それも自分たちの失態を責められているのに。民間だったらまず左遷でしょう。

男性職員の失態も、外務省の政府の一員としての認識の欠如や組織的な甘え、緩みが根本的な原因なんでしょう。今回は、なぜか表に出てきましたが、外務省内でもみ消されたこの手の話は山のようにあるんでしょうね。