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お気楽金融雇われ人の見聞録

総合家電の看板は下ろしても井植商店の看板は下ろさないようで

三洋電機が新しい中期経営計画(PDF)を発表しました。事業ポートフォリオの見直しとして、パワーソリューション(二次電池)事業、冷熱・コマーシャル事業(空調など)、パーソナルモバイル事業(携帯電話・デジカメ)の3分野に特化し、一方で金融事業、AV事業、半導体事業は事実上打ち捨て、白物家電はハイエンド商品へ集約することになります。タイミングとしてはトラック一周遅れの感はありますが、総合家電メーカーとしての看板は下ろすことにしたようです。

要は三洋電機が競争力を持つ分野へ経営資源を集中するということで、従来からデザインがいまひとつということで定評のあった(失礼)三洋電機としては、それはそれで合理的な選択だと思います。実際のところ一般消費者向けの製品は携帯電話と高級冷蔵庫(?)、薄型テレビくらいしか残らないようで(デジカメはOEMのようだし)、今後は一般消費者が直接SANYOのロゴを目にする機会が激減しそうです。

その一方で井植商店の看板はまだまだ下ろさないようで。野中さんも自分を引っ張ってきた前会長のクビは切れなかったということですね(切れるとも思っていませんが)。

三洋電機、桑野相談役・近藤副会長が今月末までに辞任へ
三洋電機〈6764〉の野中会長は18日の経営再建策発表の記者会見で、桑野相談役と近藤副会長から辞表を預かっており、11月末までに開く次回定例役員会で受理する方針を明らかにした。一方、井植敏相談役の進退への言及は避けた。(時事 2005年11月18日)

ダイエー西武鉄道が、追い込まれた末の選択とはいえ、創業家である中内氏、堤氏をなりふり構わず切り捨てて、再建を目指しているのとは対照的ですな。