ともだちや
- 作者: 内田麟太郎,降矢なな
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1998/01/01
- メディア: 大型本
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森で一番の寂しがり屋のキツネがお友達を作るために考えた商売が「ともだちや」。キツネはうまく友達を作ることができるでしょうか?
「ともだちや」は1時間100円で友達になるのですが、「商売」なので楽しいことばかりではありません。嫌いなイチゴを食べさせられたり、いやな目に遭いながらも「ともだちや」を続けるキツネを呼んだのはオオカミです。オオカミとキツネは一緒にトランプ遊びをして楽しみますが、キツネが「ともだちや」の代金を請求すると、オオカミは「お、おまえは、ともだちから かねを とるのか。それが ほんとうのともだちか」と怒り出します。「おいおい踏み倒す気かよ、このオオカミは」とツッコミを入れたくなるところですが、オオカミは本当にキツネと友達になろうとしていたのです。
「そうだ、ほんとうの ともだちだ。おれは ともだちや なんか よんだんじゃないぞ」
そういえば、オオカミは、「おい、キツネ」と よんだのでした。
「それじゃ、あしたも きて いいの」
キツネは、そーっと てを ひっこめながら ききました。
「あさってもな、きつね」
子供たちが遊ぶのを見ていると、知らない子同士でもいつの間にか仲良くなっていることがあります。そのくせ、遊びが終わって戻ってくると、一緒に遊んでいたこのことはすっかり忘れてしまったりしていて、私から見ると実に不思議な光景です。
「ともだちや」は、そんな子供たちの友達の作り方を思い出させるお話です。下の息子も4月に幼稚園に入り、友達ができつつある時期なのだと思いますが、どうやって友達を作っているんだろうか、もしかすると内心ではキツネのようにいろいろ葛藤があるんだろうか、それとも何も考えていないんだろうか、などいろいろ考えてしまいました。本人に聞いてもうまく説明してくれないので、本当のところが分からないのが歯がゆいところです。まぁ、嫌がらずにちゃんと幼稚園に行けているのだから、良しとしなければいけませんね。
さて、この「ともだちや」シリーズは絵を眺めているだけでも楽しく、そこかしこに遊びが仕込んであります。私が気に入ったのはうずらの赤ちゃん寝相。あり得ない寝相で寝ているので、ツッコミを入れたくなること請け合いです。